新着情報



特集号の刊行

 このたび、『中日教育論壇』特集号が完成いたしました。本号には、8本の論文を収録しております。特集号の刊行にあたり、巻頭言では次のようにその意義を述べています。

 「急速に変化する現代社会において、子ども・青少年を取り巻く発達・心理的課題や、教育・福祉の制度的課題は一層複雑化している。家庭・学校・地域という三つの生活圏が揺らぎ、支援の境界が曖昧化する今日、個人の適応や発達を理解するためには、単一領域に閉じた視点では不十分である。

 特集には、親子関係の希薄化、愛着障がい、生育歴に基づく発達理解、いじめの心理社会的構造、発達障がいのある大学生の実態、メンタルヘルス支援、青年教師の育成と自己理解、各種療育方法の可能性、社会関係の構築と脆弱化など、多角的視点から教育・心理・福祉を統合的に捉える試みである。理論と実践を架橋し、支援モデルの構築と提示を目的とする。

 青少年期および大学時代は、自己形成における「もう一つの発達臨界期」と位置づけられる。親子関係や生育歴によって形成された内的世界は、大学生や青年教師の適応、対人関係、メンタルヘルスに深く関わっている。また、いじめや不登校、発達障がいといった現象は、学校内の課題にとどまらず、社会文化的文脈の中で理解されるべき問題である。これらの課題は、日中両国をはじめアジア全体に共通する構造的問題でもある。現代社会は、人口動態の変容、教育制度の多様化、家族構造の変質、国境を越えた情報・文化交流の深化といった複合的変化のただ中にある。日中両国は文化的共通性を有しつつも、教育制度、福祉政策、家族観、ソーシャルサポートの形態において異なる発展を遂げてきた。この差異と共通性は、相互学習と知の共創を促す重要なフィールドである。

 国際比較研究の蓄積は、青少年期の心理的自立観、教師文化とメンタルヘルス、家族関係、いじめの社会文化的規定因など、多様な視点を豊かにしてきた。こうした知の対話は、単一文化的理解や制度的慣習を超え、支援の在り方と文化固有性が交錯する地点を照らし出すものである。

 本特集は、日本と中国の国際共同研究の成果と視座に基づき、教育・福祉・心理の専門職、そして未来を担う若い研究者や学生に対して、希望と創造の視点を提供することを目的としている。」

 学会としては、日中両国が直面している共通の課題に対し、会員の皆様の知恵を結集し、未来の人間社会によりよく貢献していく所存です。今後も、こうした重要なテーマに焦点を当て、現実の課題に取り組む特集号を刊行してまいります。

 

論文テーマ:

1.田芊・馬晨陽・王毅騏・Ruxue Xie:「 親子親和が中学生の学校いじめ行動に与える影響: 友情の質の媒介効果」

2.郭媛麗・姜羽飛・陳潔修:「若手教師の教育者精神に関する認識と実践モデル―グラウンデッド・セオリーに基づく探究―」

3.郭棟・毛惠通:「生活史特性と精神障害症状リスク―中国サンプルに基づく実証研究―」

4.郭家慧・陳明麗・朱艶・田芊:「青少年のいじめ行動に対する統合的分析視角と対応ルート構築」

5.張茜・Joyce LIN・劉欣怡:「解体と対応: 青少年はいかにして音楽療法を通じて自己調整を実現するか」

6.朱艶・丁敬耘・蒋昕宇・王建栄:「高等教育機関におけるメンタルヘルス教育へのシステム論的家族療法の応用―感情が不安定になりやすい大学生の事例を通して-」

7.丁敬耘・朱艶・朱馨憶・張若男:「個人化視点から見た学習困難大学生の苦境と対策 ―上海 X 大学を事例として―」

8.余常清:「上海市における小学生をもつ親の社会関係資本と教育戦略 ―居住地と階層的差異に着目して―」

 

 ※ 各論文の内容は、J-StageのWEBサイトをアクセスしてください。


当学会会誌がCiNiiおよびJ-STAGEに登録されました!

 学会の会誌が、学術情報プラットフォーム CiNii Articles および J-STAGE に正式登録されました。
 これにより、当学会の研究成果は国内外の研究者に広くアクセス可能となり、学術的な発信力が一層強化されます。

登録の意義

  • 学術的信頼性の向上:CiNiiやJ-STAGEは、日本の主要な学術情報データベースであり、登録は学会誌の品質と信頼性を示すものです。
  • 研究の国際発信:オンライン公開により、国内外の研究者が容易に論文を検索・閲覧でき、国際的な学術交流の促進につながります。
  • 引用・評価の向上:論文の引用可能性が高まり、研究者の評価や学会のプレゼンス向上に寄与します。

今後も、質の高い研究成果を発信し、教育・学術の発展に貢献してまいります。
詳細は、以下のリンクからご確認ください:

 


【福祉心理教育師】資格取得

 この度、日本の経済産業省特許庁に申請していた【福祉心理教育師】資格の商標登録が認可されました。これに伴い、会員総会で承認された学会の【福祉心理教育師】資格制度を正式に運営開始いたします。会員の皆様には、引き続きご協力とご理解を賜りますようお願い申し上げます。(2025年4月25日付け)

 この資格制度には、現段階において「高齢者福祉」と「特別支援教育」及び「幼児教育」の3つ分野に関する研修プログラムがあります。それぞれの分野の研修プログラムを受けた者に対して、それぞれの分野の資格証書を授与いたします。詳しい研修プログラムにはこちらをご覧ください。

 なお、研修の申請などの手続きについては、事務局宛([email protected])にご連絡ください。

 

※【福祉心理教育師】認定資格制度規則及び研修プログラムはこちらです。